左ヨリーズ、第三段レポート1回目

【はじめに】

今までは、他のところでも紹介しているジーンズを
複数人が穿きこんだらどうなるかをコンセプトにやってきました。
その為、その対象となるジーンズの評価は、
他サイトと比較して判断して貰えるところがあると思ってやってきました。

また、ウエアハウス、フルカウントなど、
すでに評判となり、地位を確立しているブランドのものをチョイスしていた為、
閲覧者の中ですでに持っているであろうイメージと比べて、
判断して貰えると思っていました。

その結果が、今までの無責任垂れ流しレポートです。

しかし、今回のレポートにおいては、
今まで誰も試していないジーンズを選びました。
ほとんどの人にとっては、自分の目で見た事も、触れた事もない、
ましてや穿いた事もない、そんなジーンズのはずです(2006年1月の時点)

これは今までと少し、考え方を変えないといけません。
新しいジーンズ、あまりメジャーではないジーンズを
レポートで取り扱うにあたり、判断材料が少ない為、
そのジーンズの評価が唯一無二ものとして捉えられる危険性があります。

一つだけ念頭に置いて貰いたいのは、
このレポートは、あくまでトゲ太郎とドク次郎が
個人的に思った事、感じた事を記録していくものです。
A+の評価をしたとしても、それは万人にとってのA+ではなく、
また、Fの評価がイコール全ての人に薦められないというわけではありません。

まっ、ヨリーズにそんな影響力あったらすごいですけどね。
うちは、あくまで亜流ですので、信じたらいけません。危険ですよ。
(そのうち、王道のジーンズパビリオンが、冷静な目で取上げてくれるに違いない)

そして、本題!!

散々じらしてきましたが、

今回のジーンズは

The Steam Locomotive
という新しいブランドの

D51XX
というジーンズです。


Steam Locomotiveとは、蒸気機関車の事ですね。
略してSL。この呼び名の方が馴染みがありますね。

よって、最初に作られたジーンズもD51XXと、
SLゆかりの名前がつけられています。

定価は、¥25,100-です。
現在の取り扱い店は
GARDEN ⇒ネット販売
rockcandy ⇒実店舗販売
となります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フロント全景



40年代後期〜頃のXXを参考にしているとの事。
各サイズで実物のXXをバラし、パターンを取ったというのですから
かなり力が入っている。

なお、色合いは実物とは違っていますので、
シルエットのところのみ参考にして下さい。
(全体を撮る場合、色をあわせるの難しいのです)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バック全景



シルエットは太めのストレートシルエット
ジーンズが労働着として農夫、炭坑夫、鉄道員などにとって
動きやすく丈夫である事が一番のメリットだった時代のシルエットを再現。
(メーカー資料より)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パッチ



パッチはSLがジーンズを引っ張るデザイン。
鹿革の箔プリントによる型押しとなっており凹凸している。
一筆縫いで縫われている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フラッシャー



SLがデザインされた紙フラッシャー。
ブランド名の由来は
ヴィンテージデニムの外縫目の凸凹のアタリ

通称「tracks」

鉄道軌道

SL(機関車)
(メーカー資料より)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バックポケット



気持ち丸みを帯びたシルエットとなり、隠しリベットを大きく避けて縫われている。
見て判る通り、一本針による縫製となり、
ポケット口はシングルステッチで縫製されている。

兵庫県のシンボルであるコウノトリが羽ばたいてるイメージのステッチ
(メーカー資料より)
(フラッシュ使用の為、色合いが明るくなっています)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タブ



縦糸緯糸共にレーヨン製であり、
両面にTSLの刺繍入り。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ベルトループ



中央が少し盛り上がっているバンザイ縫いされたベルトループ
オフセットされず、中央につけられている。
腰裏は上がシングル、下がチェーンで縫われている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボタン



鉄製のオリジナルボタン
フライ部は同じデザインで一回り小さいサイズとなる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リベット



T・S・L・&・COと刻印が入った銅リベット


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隠しリベット



厚みがある隠しリベットはこれまたブランド名入り。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




緑(セージグリーン)耳となり、幅は標準より少し細いか?
ほんのわずか、不均一な耳となっている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生地



14.5ozとなる、オリジナルの生地を使用している。
縦落ち感が少し強めの生地である。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここまで、主観をあまり交えずに、説明を行ってきましたが、
以下に、個人的な感想を述べていきたいと思います。

0.ブランド名、及びジーンズ名称について
【太郎】
  豊岡の産業を支えた蒸気機関車を題材に作るなんて素敵です!地域密着型?
  って、思っていたら、ブランド名の由来は「ヴィンテージデニムの外縫目の凸凹のア
  タリ→通称「tracks」→鉄道軌道→SL(機関車)」だそうです。
  そういや、播但線はC57が主力でしたねー(そこ、鉄ヲタとか言わない)

【次郎】
  蒸気機関車というと、アメリカではゴールドラッシュ時に活躍したという
  漠然とした印象があります。
  それをブランド名に持ってきたと言う事は、もっと古い時代の物を出してきそうなイメージがあります。
  
  メーカーの公式見解を読んでみると、ヴィンテージウエアの見た目が
  SLと重なって、ブランド名となったとの事なので、SLにブランドイメージを投影して
  展開していくと言う事ではなさそうです。
  
  それにしても、名前が長すぎて、呼びにくそうです。
  そのうち略称で呼ばれるんでしょうね。(スチーム?スチロコ?←ロコモコみたいで美味しそうです)

  また、鉄道マニアではないので、詳しい事は知りませんが、
  D51は国産の機関車ですよね?兵庫に拘って作っていくとの事なので、
  ドメスティックブランドとして、あえて国産の機関車を選んだのかな?と考えましたが
  それは穿ちすぎですかね?

 


1.シルエットについて
【太郎】
  生ではでかい。太い。驚き。
  シルエットはズドンとしたシルエットです。
  最近細身慣れていたんで、穿いたら違和感ありありかも。
  久しぶりの感じです。
  横に縮んでくれないとちょっと緩いかなー。


【次郎】
  今回はW32を選びました。
  少しゆったり目に穿きたくなったので、インチアップです。
  これは実際に穿いてみないとなんともいえないですね。
  ただ、かなり太い印象があります。(31インチにすればよかったか?)

2.パッチデザインについて
【太郎】
  とても好感が持てます。
  昔某社で機関車を題材にしたパッチがありましたね。
  ふとそんなことを思い出しました。
  厚すぎず、薄すぎず、程よく縮む感じがします。
  楽しみです。

【次郎】
  全体のデザインとしては、すっきりしすぎている気がしました。
  元ネタとしているリーバイスのツゥーホースデザインをを簡略化していますが、
  Caution To Deerの部分が文字数が少ない為、殊更寂しい印象を受けるのではないかと思います。
  ただ、元々パッチデザインが何であろうが、実際に穿いていると気にならなくなるので、
  絵柄よりもこのパッチがどのように変化していくか、それが楽しみです。
  

3.フラッシャーについて
【太郎】
  デザインはオリジナリティがあって好感が持てます。
  今後の展開は解りませんが、66や大戦モデルを出すときも
  フラッシャーは替えないで欲しいですね。

【次郎】
  最初にパッと見た時には、凄く気にいったのですが、
  よくよく見てみると、スペルミス、めちゃくちゃな文法が目につきガッカリしました。
  パッチが穿いている時のジーンズの顔だとしたら、
  フラッシャーは販売されている時のジーンズの顔だと思いますので、
  もう少し、気を配って欲しいと思いました。
  デザインや配色は好みなだけに残念です。

4.バックポケットについて
【太郎】
  生の状態では少し縦に寸詰まりのような気もしますが、
  これぞXXタイプという良い形です。
  「コウノトリステッチ」もオリジナリティがあって素敵です。

【次郎】
  シルエットはいい感じですね。かなり大ぶりですが、
  全体のシルエットも太みですから、マッチしていると思います。
  
  ステッチですが、抜くしかないでしょう。
  別縫製になっていますね。ただ、抜き辛そうです。

5.赤タブについて
【太郎】
  くるりと丸まってくれると嬉しいですね。
  片面だったら良かったかも。

【次郎】
  正直に言います。
  今まで、レプリカジーンズの赤タブに何が書かれているか、
  それに対して、気に入る、気に入らないと考えた事ありませんでした。
  製作者は、ここにも拘りを持っていると思いますが、
  何が書かれているかよりも、丸まってくれればそれで満足です。
  張り合いがないユーザーでごめんなさい。

7.ベルトループについて
【太郎】
  生の状態では中央部分の盛り上げ方がやりすぎず秀逸です。
  幅も太すぎず、細すぎず、良い感じ。

【次郎】
  これぐらいの盛り上がりの方が好きです。
  最近のウエアハウスのように、これでもかっ!と
  盛り上がっているのはなんだか狙いすぎな気がしてしまいます。


6.ボタン、リベットについて  
【太郎】
  オリジナルのボタンにもやる気を感じます。
  ただ、経年変化は余り無いかもですね。

【次郎】
  ボタンは気に入りました。
  デザイン的にはオーソドックスなものですが、
  長いブランド名がここでは幸いしていて、雰囲気があります。
  彫りもけっこう深いと思います。
   
  リベットはペカペカしすぎていますが、
  どのように変化していくでしょう。
  そして、隠しリベット、分厚いですね。
  尻が痛くなる事間違いなしです。
  表面にもダメージが出やすいんではないでしょうか?
  (気に入っているんですよ、念のため)

7.耳について
【太郎】
  オリジナルの緑耳だそうです。
  コレばっかりは洗ってみないとどうなるか解りませんねー。
  ボッコボコになってくれると嬉しいのですが。

【次郎】
  SLから連想する色としては、茶色だと個人的には思います。
  ホントどうでもいい事ですが・・・
  耳の太さはこれぐらいのものが好きです。
  後は色落ちしてみないとコメントしようがないですね。

8.生地について
【太郎】
  生の状態ではマッコイの901程ではないですが、
  かなりの縦落ちをしそうな印象を受けます。
  フラヘの5005が近い感じかなー。
  ところで、これって14.5ozなんだそうです。
  こういう重い生地も久しぶりなので楽しみです。

【次郎】
  面白い生地ですね。縦落ちしそうな感じが
  生状態からも見て取れますが、生地の表面はけっこうフラットなんです。
  洗って目が詰まった後の物を見て判断したいと思います。
  けっこう黒々としていますが、染め自体はさほど濃くなさそうです。
  そこそこ早い色落ちを見せるのではないでしょうか?
  14.5ozと厚めの生地ですが、糊がついている状態でも、そこそこ柔らかいです。
  生地のコシはどうなんでしょう?

9.D51XXの印象
【太郎】
  今のところ「愛されるジーンズ」です。
  洗い後どうなってるか・・・むむ。
  とりあえず現在ワンウォッシュ中です。
  完全に糊を落としてから穿き始めたいので、

  60℃のお湯に1時間つけて、良く濯ぐ。
              ↓
  ぬるま湯&「Tide」を放り込んで全自動洗濯機で洗濯。
              ↓
  ガス乾燥機で1時間乾燥。
  
  さてさて、どうなる事やら♪

【次郎】
  このブランドの目指しているものはなんだろう?
  まずはそこが気になりました。
  ウエアハウスは忠実な再現、フルカウントは心地良い穿き心地
  サムライジーンズは各モデルに散りばめられた独自仕様、
  ジョーマッコイは、自分達で作り上げた架空の世界観、ダルチは・・・ブタ???
  名の通っているブランドは、それぞれに拘りを持ってジーンズを作っています。
  もちろん、(一般的に良いとされている)色落ちをする事は大前提です。

  このThe Steam Locomotiveというブランドは、何にフォーカスを当てようとしているのだろう?
  
  手元にあるこのジーンズは、何を訴えようとしているのか、
  まだ、見えてきません。立ち上げたばかりのブランドですし、
  情報も限られているので、当然といえば当然です。

  しかし、考えて見て下さい。
  まだ未知数のこのブランドの、このジーンズは
  果たしてどのような色落ちを見せてくれるのでしょう?
  一年後はどんな事になっているのでしょう?
  
  ものすごい満足するかもしれませんし、
  ものすごくがっかりするかもしれません。

  それは、現時点ではわからない事です。
  そして、それを確かめるのが自分自身なのですから
  例えどうなったとしても、満足できるのではないでしょうか?
  わからないというのは面白い事でもあります。
  
  それが今回このジーンズを穿いてみようと思ったきっかけです。
  これから穿きこんで、どのように変わってくるか、非常に楽しみです。


トップページに戻る  第二回に行く

inserted by FC2 system